2016/07/08
城ヶ崎 香乃
2016/02/05 更新
赤ちゃんは体の筋肉をつけるために体の反り返りを始めます。寝返りの練習や自分の気持ちを伝えるために行う反り返し。しかし、赤ちゃんの反り返りが多いともしかすると病気の可能性も否めません。普段の反り返りと病気を疑う反り返りについてご紹介いたします。
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赤ちゃんを抱っこすると反り返ることってありますよね。
ぐいっと力いっぱい反り返りをすることもあって、抱っこする時に冷や冷やさせられることも。
たまにならまだしも、頻繁に反り返るとなると、いろいろと気になってきます。
反り返る原因と、様々な可能性についていくつか紹介いたします。
お母さんのお腹の中で育つ赤ちゃんは、丸まった状態で十月十日を過ごします。
そして生まれてくると同時に体の筋力をつけて、体を伸ばす練習を始めます。
ただ、まだまだ力加減がわからないため、強く反り返ってしまうと言われています。
生まれた時から1歳ぐらいまで続きます。
首がすわる4,5ヶ月ごろは、首の筋肉の発達の関係で、反り返りが激しくなることもあり、
その後からだんだんと落ち着いてきます。
1歳をすぎれば反り返りは少なくなってきますが、
反り返りを遊びとして認識をしていたり、癖になっている場合は一概には言えません。
生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの中には反り返りやすい赤ちゃんがいます。
首が不安定にもかかわらず強く反り返るので、抱っこがしにくくなります。
そのため不安になることがありますが、ほとんどが全く問題のない反り返りです。
4ヶ月未満の赤ちゃんが体を反らせるのは、寝返りの練習が始まったとお考えください。
抱っこの時に体を反らせる原因は、抱き心地が悪いからという理由から、
背中が暑かったり、寒かったりと温度調節の理由から、
その他服や布団ががくしゃっとなっていたり様々な原因で赤ちゃんは反り返りをします。
お父さんのごつごつした腕や、痩せたお母さんの腕だと、赤ちゃんにとっては抱かれ心地が良くなかったり、
お父さんが抱っこに緊張していて力みすぎるなど、不安定な抱っこだと赤ちゃん自身も不安になってしまい、力が入ります。
冬だからといって布団をかけ過ぎたり、夏だからといって部屋を涼しくしすぎるなど
赤ちゃんにとって快適な環境でない場合にも体温を調節するために反り返ることがあります。
対策としては、抱っこ紐を利用したり、
バスタオル赤ちゃんと腕の間に挟んでみたり、
寝かせているときはバスタオルを丸めて背中に少し添えるだけで背中に空間ができて落ち着くこともあります。
お腹の中にいるように、タオルなどでくるんであげる(おくるみ)というのも赤ちゃんが落ち着く一つの方法です。
抱かれ心地が悪いと反り返るということもありますが、
中には抱っこの仕方が悪くて赤ちゃんに力が入ってしまっているということもあります。
一度、抱っこの仕方を確認してみてください。
右利きの人の場合、頭を左にして、おしりを右手で支えるようにして上げましょう。
抱っこをするときは、赤ちゃんの体がアルファベットのCのようなカーブを描くことが理想です。
頭を左腕で包むように支え、体をリラックスさせて抱えてあげてください。
頭を支えず、肩だけを支え、もう片方の手でおしりを支えるといったように、
頭、背中、おしりに安心感を与えられない抱え方は赤ちゃんを不安にさせる一方になってしまいます。
気をつけましょう。
スリングを使ってみるというのが一つの手。
スリングは自然に背中に丸みがでるように強制ができるので、赤ちゃんに丸まるほうがいいことを教えるのに最適です。
泣いても5分はスリングで抱え、それを毎日続けてみましょう。
赤ちゃんにお乳をあげようとしたり、あげている時に反り返る時もあります。
その場合は今はお腹が空いていなかったり、他のことに不満があったりと
自分の意志を主張するために反り返ることもあります。
だっこ赤ちゃんは元々首を前に曲げる機能よりも、首を後ろに伸ばす機能のほうが先に発達します。
・横抱きをすると嫌がって反り返る
・後ろを見ようとして反り返る
・寝ているときは反り返らない
こういった反り返りは普通なので、特に心配の必要はありません。
・起きている時の他に寝ている時にも手足を突っ張って反り返る
・反り返り時に首や方がねじれて不安定になる
・不自然に激しい反り返りが見られる
自分の意志で反り返っているのかなど、
まっすぐに安定を保てない場合や気になるほどしつこく反り返る場合注意が必要です。
普段の反り返りなら心配はありませんが、異常な反り返りは病気の可能性があります。
異常な動作を見かけたら、早めに小児科医に相談することをおすすめします。
特徴は一方向に偏った体の反り返りをするということです。
他にも、寝ている時に寝返りをするわけではなく、横向けにした反り返りをしたり
反り返りと同時に足が棒状につっぱることも特徴です。
脳性麻痺は、3ヶ月や4ヶ月すぎるまでは判断ができないとされています。
ただし、特徴がある場合は脳性麻痺の疑いがあるとは言われています。
脳性麻痺は、受精から生後4週までの間に、何かの原因で受けた脳の損傷によって引き起こされる、運動機能の障害のことです。
主に運動や姿勢の異常が見られ、他にも精神遅滞、目や耳の障害など様々な障害が生じることがあります。
発症率は通常出産の場合、0.1%〜0.4%ですが、早産の場合は10倍高くなります。
乳児期にはっきりとした形で現れることが少なく、生後6ヶ月までには気づきにくいことがあることも脳性麻痺の特徴の一つです。
症状が重篤であるほど、早期に症状が現れる傾向があります。
症状として見られるのは、運動発達の遅れです。首のすわり、おすわり、一人立ち、一人歩き、物をつかむなどが遅れることです。
また他にも、ミルクを飲むのが下手、ピクピクしやすい、よく反り返る、手をグーの状態から開くことが少ないなど、赤ちゃんの独特な特徴もあります。
特徴は、普段は反り返らないのに、抱っこすると反り返って嫌がったり、不自然に激しい反り返りが見られるというときは、注意が必要です。
自閉症の赤ちゃんは、抱っこを嫌がり抱っこされる腕から逃れようとして体を反らせる傾向があります。
またほかに、多動と言われるように、反り返りの動きにこだわり、何度も繰り返して反り返りをする子もいます。
通常、生後30ヶ月までに発症する先天的な脳の機能障害で、広汎性発達障害に分類される障害のことです。
自閉症は心の病気ではなく、脳の発達障害です。
生まれつき脳の機能がうまく働かないため、早期に症状が現れ、生涯にわたって続く障害です。
コミュニケーションが上手く取れなかったり、極端なこだわりをもっています。
そして、その他にも感覚が尖すぎたり、鈍感だったりと感覚の異常があります。
3歳未満の赤ちゃんの自閉症は、人と目が合わせられず、他のこと一緒に遊べなかったり、
言葉の遅れやオウム返し、多動や反り返りを繰り返すように物事をずっとずっと繰り返したりするこだわりがみられることや
自分の頭を壁にぶつけたり髪を引っ張ったりするなど、自傷行為を伴うパニックの症状などが多く見られます。
1歳児検診で診断されず、3歳の検診で診断される場合もあります。
とはいえ、赤ちゃんはまだまだ発達途上。
新生児・赤ちゃんの反り返りは心配しすぎないことも大切です。
寝返りの練習のために反り返ることや、気持ちを伝えるために動いたり、
体の筋肉を発達させるために積極的に動く子もいます。
心配しすぎるということも、赤ちゃんにお母さんの不安が伝わり、落ち着かなくなることもあります。
反り返りに対して不安を持ちすぎず、あくまでも可能性として赤ちゃんを観察してみてください。
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