2016/07/08
城ヶ崎 香乃
2015/11/10 更新
赤ちゃんを絵本を読んで楽しませてあげたいけど、どんな絵本がいいの?と一番悩むのが0歳期。単純な言葉や情景が繰り返し出てくる、視覚的にも楽しめる絵本を通して、赤ちゃんと一緒に楽しむことができる絵本のランキングを紹介します。
知らない人はいないはずのピーターラビットの絵本!!
でも、名前は知っていても絵本の内容を知っている人は多くないかもしれません。
一度読んでみてください。
0歳の時期というのは、新生児の眠っている時間が長かったころから、1歳前後のもうすぐ歩き出すようになるまでと、非常に心と体の成長が著しい時期。赤ちゃんと絵本を楽しみたいなと思っても、生後2~3ヵ月から絵本を読む人の声に耳を傾けたり絵をじっと見つめる様子を見せる子もいれば、おすわり時期以降、絵本を触ることに興味を持ち始める子がいるなど、反応は様々です。
0歳期は、1歳を過ぎるころから少しずつ出てくることばが赤ちゃんの中に蓄積されていく時期。単純な言葉や情景が繰り返し出てくる、視覚的にも楽しめる絵本を通して、身近な人の声をたくさん届けてあげましょう。
0歳の時期のおすすめ絵本をランキングにして10冊ご紹介していきます。
『いないいないばあ(松谷みよ子あかちゃんの本)』
「いない いない ばあ」遊びで赤ちゃんは、親しみのある絵や存在が隠れる小さな不安と、再び出てくる喜びの繰り返しに夢中になり、記憶力や想像力も育まれる絵本。赤ちゃんへの周囲からの語りかけと、それに赤ちゃんが興味を持ったり笑ったり反応を示すというやり取りの繰り返しが、赤ちゃんの中にことばをためていきます。また、何より、お世話をしてくれる存在との信頼関係の土台となります。ソフトなタッチの絵とお母さんやお父さんの優しい声がけで、赤ちゃんに「楽しい」「うれしい」気持ちをたくさん感じさせてあげたいですね。
『ばいばい(まついのりこのあかちゃんのほん)』
赤ちゃんや小さな子どもたちは、繰り返しや「おんなじ!」の発見が大好き。「こんにちは」「ばいばい」というフレーズが繰り返され、動物たちは、「こんにちは」の時に体の前で閉じていた羽根や前足を、「ばいばい」の時には右側だけ挙げてにっこり微笑みます。同じフレーズや情景が色々な動物たちによって繰り返され、それが大きな安心感をもたらすのですね。
「こんにちは」や「ばいばい」は、赤ちゃんが次第に家族以外の人と交流するようになるときにも、たくさんかけられることばでしょう。身近な場面でなじみ深いことばを、絵本の中で見つけることも、赤ちゃんにとって楽しい発見になるでしょう。
『とっとことっとこ(まついのりこのあかちゃんのほん)』
ページをめくるたびに、靴をはいた動物たちが楽しげに歩いている『とっとことっとこ』。こちらも赤ちゃんの大好きな繰り返しの絵本ですが、繰り返しの中にも色々な「違い」を発見して楽しめます。出てくる動物たちによって、くつの大きさも色も形も色々。足は2本とは限らないし、足じゃないところにくつをはいている動物も。バラエティ富んだ登場者たちは、何度読んでも赤ちゃんを飽きさせません。
『じゃあじゃあびりびり(まついのりこのあかちゃんのほん)』
赤ちゃんの食いつきが抜群との評判が高い『じゃあじゃあびりびり』。赤ちゃんのファーストブックに購入する方も多いようです。「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」「いぬ わん わん わん わん」「みず じゃあ じゃあ じゃあ」……。擬音語は、例えば勢いや大きさ、手触り、動きなど、色々な要素を具体的なイメージをもって伝えてきます。それらがわかりやすい絵と結びつき、赤ちゃんの頭の中には豊かなイメージが広がるのかもしれませんね。文字の配置もさり気なく工夫されていて、出てくる動物や物の雰囲気を巧みに表現しています。
おすすめの絵本のランキング10位から7位は、赤ちゃんの大好きな繰り返しの絵本ですが、繰り返しの中にも色々な「違い」を発見して楽しめます。登場するそれぞれの対象によって、文字の配置や大きさ、形に変化があるので、読み手も楽しみながら自然に読み方にバリエーションをつけることができるでしょう。「どんな風に読めば楽しいのかな?」などと考えなくても、自然に読み方に変化をつけられるようになっています。
『がたん ごとん がたん ごとん』
真面目な顔をした黒い汽車が「がたん ごとん がたん ごとん」と走ってきます。停車場では、コップとスプーン、りんごとバナナなどが次々に待っていて、汽車が来るたびに「のせてくださーい」。ただただ続くその繰り返しが、赤ちゃんの心をつかみます。汽車にのっているみんなはとても嬉しそう。さあ終点はどこ?
『てんてんてん』
初めての赤ちゃんの場合には絵本選びにもとにかく悩むもの。これは、赤ちゃんに贈るファースト絵本としてもおすすめしたい1冊です。大きなてんとうむしやかたつむりのうずまきなどのはっきりした絵、「てんてんてん」「ぐるぐるぐる」など単調でリズミカルな擬態語は、赤ちゃんが見て、聞いて楽しめます。
『でてこいでてこい』
「だれか かくれてるよ でてこいでてこい」。葉っぱや五角形や長方形、丸など、曲線と直線で囲まれた単純な形の中から、色々な動物が飛び出してきます、切り絵の形で出てくる生き物たちは躍動感たっぷり。白いページにはっきりとしたコントラストの色で描かれており、視覚にも楽しい刺激を与える仕組みになっています。
おすすめの絵本のランキング6位から4位は、大人も笑顔で読みやすく、赤ちゃんや小さな子も、絵本にひきつけられるものです。赤ちゃんのための絵本は、文字が少なく読み手もラクチン。何冊も読むよりも、お気に入りの1冊を何度も何度もくり返し親子で楽しんでください。
『はらぺこあおむし』
言わずと知れた世界的なベストセラー絵本。日曜の朝に卵からかえったあおむしが、月曜日にりんごを1つ、火曜日に梨を1つ、水曜日にプラムを3つ……こんなにもりもり食べているのに太らないなと思いながらページをめくっていると、突然大きく成長したあおむしが現れてびっくり。その後にすてきな大変身を遂げます。
『くっついた』
鼻と鼻をくっつける金魚さんどうし、くちばしとくちばしをくっつけるあひるさんどうし。ゾウさんどうしやおさるさんどうし、そして、お母さんとわたしで、家族みんなで……。乳幼児向け親子イベントの場でも何度か読んでご紹介したことがあるのですが、読み終わるとお母さんたちはみんな、それはそれは嬉しそうにお子さんにほっぺをスリスリ。スリスリされる子どもたちも、なんて嬉しそうな表情!初めての赤ちゃん育児の中で、どうやって赤ちゃんとふれ合おうか、楽しませようかち考えてしまう方もいるようですが、それはとてもシンプルなことなんだと、肩の力が抜けるような楽しい絵本です。
『はくしゅぱちぱち』
小さな手をパチパチ合わせて楽しむなど、一芸ができるようになった時期の赤ちゃんにぴったりの絵本『はくしゅ ぱちぱち』。歌や逆立ちなど得意なことを披露してくれる動物たちに、拍手をたくさん送ってあげましょう。最後のページでは、動物たちもかわいい「ぱちぱち」を見せてくれます。
赤ちゃんがパチパチと拍手をしたり、バイバイをしたりするようになる月齢には、個人差が大きいものです。絵本を仲立ちにして、大人が楽しそうに拍手している様子を見て、まねをする赤ちゃんもいるでしょう。「まね」は遊びを広げ、1歳代になるとままごとなどの「ごっこ遊び」にも発展していきます。
おつきさまこんばんは
本を開くと広がる夜の世界。暗いけれど闇夜ではありません。2匹のネコがおうちの屋根にあがって遊んでいるのが見えます。やがて、まんまるに輝くお月さまが姿を見せました。そのお月さまが雲に隠れ再び姿を現すまでを、表情豊かに描いた作品です。
しろくまちゃんのほっとけーき
『しろくまちゃんのほっとけーき』ほど、子どもたちの五感を刺激する絵本はないでしょう。もちろん絵本ですから、直接刺激を受けるのは視覚と聴覚だけです。けれど、シンプルではっきりとした色使いの絵とそこに添えられた言葉からは、ホットケーキが焼ける匂いや焼けたケーキのふかふか感、お口に入れた瞬間の甘さの加減まで伝わってくるのですから、お見事というほかありません。
1・2・3 くもんのはじめてのえほん1
知育絵本『1・2・3』です。この作品は、1から10までの数の認識を助ける絵本ですが、その効果を最大限に得るためには、読み手にちょっとした注意が必要です。それは、読み聞かせの時には、数を覚えることよりも「絵本を読む楽しさ」を大切にするということ。
なにいろ? くもんのはじめてのえほん2
こちらは、絵本を通して10の色を認識する知育絵本です。見開きの左と右で1つの色をとりあげる展開なので、赤ちゃんにはとてもわかりやすい構成になっています。何度も繰り返し読むうちに、「身の回りの物には、いろいろな色が使われていること」や、「色にはそれぞれ名前があること」などが自然に理解できると思います。
ランキングでこんな風にすすめられても、大人が自分で読んでいるだけでは、正直なところ何の変哲もない普通の絵本に思われることでしょう。ところが、赤ちゃんに読んであげると、この作品に対する評価は一変するはずです。目を凝らし、耳をすませて、絵本に集中する赤ちゃんの姿に感動さえおぼえます。
これが、良い絵本の持つ底力。そして同時に、小さいながら、何でも吸収し、成長しようとする赤ちゃんの力の発露でもあると思います。「うちの子は、まだまだ小さいから絵本は無理……」などと、大人が勝手に決めつけないで、どんどん絵本を楽しんでいきましょう。ランキングの絵本たちが、お父さん・お母さんをサポートしてくれますから。
この記事に関する記事
Copyright© 運営事務局