2016/07/08
城ヶ崎 香乃
2015/10/09 更新
ヘルパンギーナという疾患は聞き慣れない方も多いと思います。実はこれ、夏風邪の代表的な疾患なんです。ヘルパンギーナって何?保育園や幼稚園に登園はできるの?いつから登園していいの?ヘルパンギーナの症状や注意点などをまとめました!
子どもが夏に風邪をひいて病院に連れていったら、ヘルパンギーナと診断されたというママも少なくないと思います。
それもそのはず、ヘルパンギーナは夏風邪の代表とも言える疾患なんです。
ヘルパンギーナの症状や、感染経路、また保育園や幼稚園への登園可能な時期など、お子さんがヘルパンギーナにかかったいざという時、知っておきたい情報をまとめました。
このコクサッキーウイルスやエコーウイルスというのは、予防接種でも知られるポリオウイルスなどと同じ、エンテロウイルスというカテゴリーに入るものなのです。
三大夏風邪のひとつヘルパンギーナは、エンテロウイルスの感染で引き起こされる疾患です。
エンテロウイルス属の中にはいくつかのウイルスが存在します。
それぞれのウイルスで1度きりの感染といえど、複数のウイルスが存在するので幾度か感染する人もいるようです。
飛沫感染と接触感染で感染が拡大していくヘルパンギーナのウイルスは、アルコール耐性も強いようです。
保育園や幼稚園に登園している場合には、集団生活の中で感染を完全に防ぐことは難しいように思えますね。
この3つが特徴となりますが、倦怠感や関節の痛みが出たり、熱が高くなり過ぎて熱性の痙攣を起こしてしまう場合もあります。赤ちゃんは、口や喉が痛いとは訴えられない事もあるので、熱が高くぐったりしていたら口の中を確認しましょう。
ヘルパンギーナによる合併症として、発熱初期に熱性けいれん、ごくまれに脳炎を合併することがありますで、経過中に何回も繰り返す嘔吐や頭痛等の症状には十分注意が必要です。
出産直前の妊婦さんがヘルパンギーナに罹った場合、生まれてくる子供に感染してしまう場合があります。ほとんどが軽症ですみますが、時に重症となって死亡してしまうケースもある為、特に夏場に出産を迎える妊婦さんは注意しましょう。
ヘルパンギーナでは高確率で口腔内や喉に水ぶくれのようなものができ、それが痛みを伴います。
乳幼児では自分で症状を訴えることができないので、口の中を注意して観察してあげてください。
痛みが強く水分をとれない、とろうとしない場合には脱水の危険性がありますので、病院を受診しましょう。
高熱の発熱直前や初期に、熱性痙攣を起こす場合があります。
熱性痙攣の場合心配は要りませんが、何度か痙攣を繰り返す場合もあるので痙攣止めの座薬が処方されることもあります。
痙攣が続く場合には痙攣重積といって、脳炎を起こしている可能性があります。
いずれにせよ痙攣がみられた場合には、速やかに病院を受診するようにしてください。
ヘルパンギーナはウイルス性疾患なので、脳炎や髄膜炎などの合併症が恐ろしいです。
ただの夏風邪だと楽観視せずに、熱が出た時点で病院に行きましょう。
ヘルパンギーナになると患者さんは便中に1カ月近くウイルスを排泄していることが多く、排便あるいはおむつ交換後の手洗いを徹底する事でヘルパンギーナの二次感染を防ぎます。ヘルパンギーナになっても学校、幼稚園、保育所などでは登校・登園停止の疾患にはなっていませんが、その症状から、急性期は自宅での安静が必要です。
マスクでの予防と、手洗いうがいが重要ですね。
感染者の便から一ヶ月もの間ウイルスが排出されるため、オムツ交換などの後の手洗いや、オムツの処理も感染拡大を防ぐために重要になります。
文部科学省(幼稚園、小学校を管轄)、厚生労働省(保育園を管轄)のガイドラインによると、ヘルパンギーナの登園基準については、熱が下がり、口の中の水泡や潰瘍の影響なく、普通の食事がとれることとしています。
潜伏期や急性期では、他者への感染力が強く容易に流行していきます。回復期に入ってからも、3~4週間に渡ってウイルスを排泄してしまうため、感染の恐れがあります。
登園許可証や治癒証明書などが必要ないことから、熱が下がった段階で登園させてしまう保護者もいます。感染を拡大させないためには、かかりつけの小児科医が、ヘルパンギーナの経過を見て、登園を許可することは大前提です。
自由保育の時間が長い保育園や幼稚園では、すべての園児の手や指を清潔に保ち続けるのはかなり困難です。こういった保育園や幼稚園に通園している子供は、登園再開について、より慎重になる必要があります。
ヘルパンギーナの急性期を過ぎ、医師の登園許可をもらったら、まずは幼稚園や保育園、小学校の担任の先生へ報告を行いましょう。事前に策を講じておくことで、保護者間のトラブルを回避できる場合もあります。
親や先生の指示を守れるか、病気への理解を示しているかなど、子供の能力には個人差があります。普段の様子を知る担任の先生と相談の上、登園再開時期を検討すると良いでしょう。
ヘルパンギーナにかかった場合、いつから登園してよいのか具体的な決まりは特にないようです。
また約一ヶ月もの間ウイルスを排出し続けるため、登園先での感染が拡大し、保護者間でトラブルを招いたりもするようですね。
保育園や幼稚園など、集団生活の中で感染の恐れがある病気は他にもあります。
インフルエンザウィルスによって感染します。
悪寒、戦慄、突然の高熱、咽頭痛、関節筋肉痛などの症状で、合併症として肺炎、中耳炎、熱性痙攣、脳症などがあるため注意が必要です。
毎年冬になると集団感染するため、時に登園先が休園になる場合もあります。
登園は、「解熱後3日が経過していること」「発症後5日が経過していること」が条件となります。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどによって引き起こされます。
発熱、下痢、嘔吐の症状が出ます。
食べ物から感染するので、お弁当を持っていく場合には注意が必要です。
出席停止期間はありませんが、下痢をしている間は登園を断られる場合が多いようです。
登園開始については登園先と相談してください。
麻疹ウイルスにより感染します。
発熱し、一旦解熱した後に再び高熱となり、発疹が出現します。
極めて感染力が高いため、ワクチンは必ず接種しておきましょう。
「解熱した後、3日を経過するまで」登園は出来ません。
風疹ウイルスによって感染します。
発熱と同時に淡紅色の発疹(2~3日で消失)が出現し、後頭部・頸部リンパ節の腫れがみられることがあります。
麻疹ほどではありませんが感染力が強いので、必ずワクチンを接種するようにしましょう。
「発疹が消失するまで」登園できません。
水痘・帯状疱疹ウイルスによって感染します。
発疹、水疱、かさぶたが全身に出ます。発疹はかゆみが強いのが特徴です。
「すべての発疹が、痂皮化するまで」登園はできません。
ムンプスウイルスによって感染します。
発熱と、耳下腺部の腫れと痛みが症状です。
3歳以降の小児に感染者が多く、保育園や小学校などで流行する傾向があります。
「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」登園はできません。
ヒトパルボウイルスB19によって感染します。
軽い風邪症状の後、頬がりんごのように赤くなります。
出席停止期間は定められていないので、登園先と相談してください。
頬が赤くなった時には既に感染力はありません。
コクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型によって感染します。
水疱性の発疹が口の中、手のひら・足の裏などに現れます。発熱は軽度です。
出席停止期間は定められていないので、登園先と相談してください。
保育園は集団生活の場なので、様々な感染症をうつしたり、うつってきたりすることは避けられません。
今現在、受けるべき予防接種がすんでいないお子さんは、少しでも早く受けておきましょう。何種類も未接種のものが残っている場合、かかりつけのお医者さんと相談し、スケジュールを組んでもらいながら受けてください。
感染力の強い感染症はワクチンで予防できるものがほとんどです。
保育園で流行した際かからないようにするためにも、またかかった場合でも重症化を防ぐためにもワクチンは必ず接種しておきたいですね!
ヘルパンギーナにかかった後に登園させる場合、子どもが登園できる状態にあるのかを見極めることが重要なのは言うまでもありません。
解熱していることは勿論のこと、体力が戻っていて活気があるか、食事はしっかりとれるようになっているか、子ども自身が登園したがっているかなどをちゃんと確認しましょう。
上でも述べた通り、ヘルパンギーナの場合にはいつまで登園してはいけないという具体的な決まりはありません。
解熱し、食事がとれるようになったらすぐに登園させたいとは思いますが、その時点ではまだウイルスを排出し続けているため、感染源になってしまう恐れもあります。
登園したからには集団生活ですから、周りに感染させないためには保育士さんや先生の理解、協力は不可欠です。
後々トラブルにならないためにも、登園の際には保育園や幼稚園に相談し、許可が下りてから登園させるようにしましょう。
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