2017/02/20
SBY731
2015/12/27 更新
絵本は子供だけじゃなく大人も楽しめるステキな絵本が沢山あります。その中でもぜひ大人も読んでいただきたい絵本が、「大きな木」です。「大きな木」という有名な絵本は、ご存知の方が多いと思いますが、内容までご存知でしょうか?「大きな木」について詳しくみていきましょう。
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絵本「大きな木」
まずは、読んでみよう!
まずは、子供の読み聞かせなどでも構いません。
子供と一緒に絵本「大きな木」を読んでみてください。
この絵本は、子供だけではなく大人が読んでもすごく考えさせられる絵本になっています。
子供はもちろん、大人になった今だからこそ読んで色々考えてほしい。
「大きな木」は、そんな絵本です。
「大きな木」朗読
絵本がないあなたも朗読を聞いてみよう
最初はあまり意味が分からなかった様子の子供達でしたが、何度か読んで聞かせているうちに「おとこのこ、自分勝手だね!」「ダメだねえ」や、「木は優しいねー」「怒らないんだね」中には「おとこのこはこの後、木とずっと一緒に暮らしたのかなあ?」などなど、各々の感じ方や考えを素直に言葉にしてくれます。
何度もこの「大きな木」という絵本を読み聞かせるうち、
少し難しい内容ですが、子供も段々と内容がわかってくるのですね。
親子で、絵本「大きな木」を読んで
一緒に考えたり答えを出し合ったりと親子のコミュニケーションにも最適な絵本です!
リンゴの木とちびっこ
あるところに、いっぽんの木がありました。
その木は ひとりの少年のことが だいすきでした。
少年はまいにち その木の下にやってきました。
はっぱを いっぱいあつめ、はっぱで かんむりをつくり、木のぼりをし、えだにぶるさがってあそびました。
そしてりんごをたべました。(この木は、リンゴの木だったのですね)
「かくれんぼ」をしたり、くたびれると こかげでねむり、その木がだいすきでした。
だれよりもなによりも、木はしあわせでした。
木が大好きなちびっこと
ちびっこが大好きな大きな木
この絵本はリンゴのなる大きな木とちびっこのストーリー。
男がちびっこの頃は、微笑ましいストーリーなのですが・・・
段々、ちびっこが成長するにつれ自分勝手になり大きな木を自分のために利用し始めるのです。
この絵本では、大きな木は母親のように、ちびっこに無償の愛を与え続けます。
子どもは成長する。それに伴って考え方も子どもの頃とは違ってくる。「お金が欲しい」…成長した子どもが言うと、木は自分になっているりんごをもいで、売ってお金にすればいい、と教える。それならば、と青年になっていたかつての子どもはりんごをすべてもぎとって行ってしまう。でも木はうれしかった。
段々と欲張りになるちびっこ
木は昔のように遊んでおいきと言いますが、ぼうやは言います。
「かいものが してみたい。だから おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」
木は困りましたが、りんごの実をすべて与えます。
大人になったぼうやは家を欲しがり、木はその枝を与えます。
年老いたぼうやは船を欲しがり、木はついにその幹を与え、切り株になってしまいます・・・
絵本「大きな木」を読み進めていくと、
成長していくちびっこは、段々と欲張りになり大きな木からすべてを奪っていき、
大きな木は最後には切り株になってしまいます。
それでも、何をされても大きな木は「うれしかった」と言います。
この絵本を読んでみて一番に気になるのは、
大きな木は、男に無償の愛を与え続け幸せだったのだろうか?ということではないでしょうか?
なんど絵本を読み返してみても、この大きな木が本当に幸せだったのかどうか・・・
深く考えさせられます。
母のような無償の愛で見守る大きな木・・・
果たしてこの大きな木は幸せだったのだろうか?
切り株になってしまった大きな木
最後に「きは それで うれしかった・・・ だけど それは ほんとかな?」 と疑問を投げかけている。新訳では、もっと端的に「それで木はしあわせに・・・なんてなれませんよね」と明確になっている。
自分の体を削って与えても、誰も幸せにはなれない。自分から溢れ、豊かに実りをつけたものだけが、幸せを増やしていく。愛とは、豊かさとは、幸せとは、そういうものだと定義付けたとき、人生は苦の娑婆ではなく、地上は生きながらにして楽園になるだろう。
絵本「大きな木」について詳しく書かれています。
「And tree was happy…. but not really.」を直訳すれば
「それで木はうれしかった・・・だけど本当はちがった」
ですよね。
おそらく中学1、2年生レベルの英文。
否定文であって、疑問文ではないのです。
「だけど それは ほんとかな?」と
読者にその解釈を投げかける手法は、
木が幸せでなかったことが
理解ができない本田氏にとって、
葛藤というか苦肉の策だったようにも思えるのです。
私が最初に本田氏訳でこの部分を読んだときの
違和感はとても大きいものでした。
なので今回の再販で訳者が代わると聞いて、
この部分をとても楽しみにしていたのです。
この絵本の原作では、
大きな木は幸せではなかったとなっています。
この「大きな木」という絵本に出てくる男は、どんな気持ちだったのか?
何を思っていたのか。
この男は、幸せだったのだろうか?
大きな木から無償の愛を与えられ続けた
男の気持ちを考えてみる
自分勝手に思えて腹立たしい場面も
木は、犠牲、無償の愛の象徴ともいうべき存在です。木は少年に女性の言葉で話しかけていますので、母親の象徴かもしれませんね。しかし、木の無償の愛を受けて、少年は幸せになったのでしょうか。私は、少年の一生は、寂しいものだったように思います。愛を与えることは、もちろん何よりも大切ですが、ものを与えるよりも別な方法で少年を愛することは出来たのではないかと思いました。
大きな木から無償の愛を与え続けられた男・・・。
もしかすると、男は寂しい一生だったのではないか?
与えられた愛の形によっては幸せだったり幸せにはなれず孤独になってしまう場合もあります。
いかがでしたか?
この「大きな木」という絵本は、長年読まれ続けている
とても有名な絵本です。
子供も大人も一緒になって楽しめる絵本ではないでしょうか?
ぜひ親子で読んでみてくださいね。
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