ピアノは弾いていないと音が狂う、だからピアノの調律は大事です。

ピアノ調律師になるための適正についてご紹介します。
身長は150センチメートル以上あることが望ましいとされています。それは、アップライトのピアノの調律をするのに、それくらいの身長が必要だからです。更に、手の大きさも調律に向いているかどうかに関係します。グランドピアノの調律の場合、オクターブを押さえられる手の広がりが必要になるからです。オクターブを押さえたままたたき続けることが出来ることも条件の一つです。また、ドライバなどを使って締めたり回したりするので、手の握力も必要です。

調律は音を耳であわせますが、絶対音感は必要ありません。ただ、幅広い音域の小さな音を聞き分ける力が必要となります。普段から、イヤホンで音楽を聞いている人は調律には向きません。聞き分けられる音域がどこまで広げられるかは、学校等での訓練に頼りますが、それには個人差があって、一概に何年で身に付くとは言えません。
調律の仕事でたくさんお金を儲けようと思っている人は向きません。調律はそれほどお金になる職業ではありません。ピアノが好き、調律が好き、ということが大前提になります。そして、こだわりがあって、集中力や持続力に優れた人が調律師に向いていると考えます。

ピアノの調律はどのくらいの期間をおいてやればいいのでしょうか？
調律は、ピアノの使用頻度にもかかわってきますが、年に１~２回くらいは調律をしたほうが良いでしょう。そのくらいの頻度で調律を行うと、ピアノは常に最高の状態を保つことが出来ます。調律は、アクションの動き、ハンマーの減り具合、鍵盤の緩みなどを重点的に行います。そして最後に内部のクリーニングをして、ピアノを最高の状態にしてお客様に渡します。

ピアノの調律は、音律の調整が一番重要な作業になります。各弦にまかれた線が伸びてしまって、従来の音階とは微妙にずれが生じることがあります。それを直して、ピアノ本来の音色を取り戻すのが音律の調整です。特にコンサート会場での調律は非常に神経を使います。ピアニストの中には、自分の音を持っている人がいるので、一度試しに弾いてみてから、クレームがつくことが間々あります。長年ピアノを弾いてきたピアニストの耳は誤魔化されません。コンサートは調律師の腕の見せ所でもあるのです。

さて、気になるピアノの調律代金は、各お店或いは調律師によって違いますが、一般的には以下のようです。

アップライトピアノ　7～１２か月点検　　　１1,０００円
グランドピアノ　　　７~７１２か月点検　　　１３，０００円
コンサート調律　　　　　　　　　　　　　　　　　１６，０００円

ピアノの調律の仕事のメインは、「音あわせ」です。ピアノのは調律をしないまま長期間が過ぎると、少しずつ音が下がります。調律はこの下がった音を、きれいな音と澄んだ音色に調整する作業です。
普通、「調律をお願いする」というのは、この「音あわせ」を意味しています。これが調律の料金になります。
「音あわせ」以外にも、調律師の仕事があります。普通、音合わせ以外の作業を依頼すると別途料金がかかります。

音合わせ以外の作業
・整音（音色のチューンナップ）
・整調（部品、機械のチェック）
・修理

ピアノ調律師の作業
整音
ピアノの音色を、柔らかく或いはパリッとした音色にして、などの依頼者からのオーダーに答えるため、音色を整える作業の事です。これは非常に繊細で高度な技術を必要とします。ハンマーのフェルトの硬さや形を微妙に調整することで音色を変えることが出来ます。

ピアノは鍵盤をたたくとハンマーが弦を叩きそれで音が出る楽器です。この一連の動きをアクションと言います。これを可能にしているのは、じつに多くの部品からなるメカニズムです。このアクションメカニズムを調整するのが、調整という作業です。これをすることによって、いままでたたきにくかった鍵盤がスムースに叩けるようになったりします。

鍵盤をたたいても音がでない、鍵盤をおしても戻ってこないなどに異常は、明らかにピアノの機能が失われている証拠です。このような場合は早めの修理が必要です。
修理には、その場でできるものと、ピアノ専用の運搬方法で工場まで運んで修理する必要があるものとがあります。アクション部分の故障で軽症なものはその場での修理が可能です。しかし、共鳴板のひび割れ、フレームのひび割れなど重症の場合は、ピアノが生産された工場に運んでの修理となります。

ピアノ調律についていろいろ見てきました。ご参考になりましたでしょうか？
どんな物も消耗してメンテナンスが必要になります。ミリ単位の誤差も許されないピアノの調律もその一つです。世界的な演奏者が演奏するピアノも、調律師の手によって最高の状態に調律されます。調律師は、演奏会が終了するまでその場を離れません。ピアニストの要請にこたえるための待機なのです。そのようにして、ピアノによる名演が生まれるのです。ピアノは繊細な楽器です。調律することによって常に音を保ち響きを保持できるのです。